著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

お米や魚…健康に良いとされる食品にも“落とし穴”がある

公開日: 更新日:

 玄米は白米より健康的といわれています。また肉の脂身は健康に良くないけれど、魚の脂、特に青身魚の脂は健康的といわれています。そうした情報の影響で、白米を玄米に替え、お刺し身などを積極的に食べている人は多いのではないでしょうか?

 しかし、こうした健康的とされている食品にも、健康上の落とし穴があるのです。玄米は精米する前の状態のお米で、白米と比べて、食物繊維やビタミン、ミネラルなどを多く含み、その糖質の吸収も緩やかなので、糖尿病の進行を抑え、体内環境も改善すると考えられています。

 しかし、お米は元々土に存在するヒ素を多く含む食品で、白米よりも玄米は、ずっと多くのヒ素を含んでいるのです。ヒ素は慢性的にたくさん摂取すると、がんのリスクや高血圧などのリスクを増加させることが報告されています。

 また、魚の脂には、たしかに動脈硬化の進行を抑えるような成分が含まれていますが、その一方で魚には毒性の高いメチル水銀が含まれていて、特に深海魚やマグロに多いと報告されています。このメチル水銀は神経障害などのリスクになると考えられているのです。

 もちろん普通に食事で食べる程度の玄米や魚に、すぐに健康に悪影響を与えるようなヒ素や水銀が含まれているわけではありません。しかし、健康に良いからといって食べ過ぎることは、かえって健康を害する可能性もあるのです。

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