「西成DEEPインサイド」市原研吾、矢島大輔著
「西成DEEPインサイド」市原研吾、矢島大輔著
「日雇い労働者のまち」として知られる大阪の釜ケ崎。午前3時ころから睡眠導入剤や抗不安薬を置く露店が並ぶ。この街で元横領犯の宮本信芳は居酒屋をやっている。店名はチェ・ゲバラの乗った船にちなむ「グランマ号」。横浜出身で、東京のキャバクラで働いていたとき、店の金560万円を持ち逃げして釜ケ崎にたどり着いた。氏名や生年月日をごまかして生活し、時効の5年が過ぎたとほっとした頃、逮捕された。宮本はキャバクラの店長だったので単純横領罪ではなく業務上横領罪が適用されたため、時効が7年だったのだ。
新聞記者が、ミュージシャン、漫画家など釜ケ崎に生きる人々を取材したルポルタージュ。 (朝日新聞出版 1650円)