36年で165倍に…日本で毎日10件以上成立している「M&A」の実態とは

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赤字でもM&Aできる可能性がある?

「再生型M&A」は決して簡単なものではないのですが、借金があるから会社が売れないと悩んでいる方がいれば、試してみる価値のあるものだと思います。

 多くのM&A仲介業者は「再生型M&A」を手がけていません。経験がないから知らないのかもしれませんし、知っていたとしても手間がかかりすぎてパフォーマンスが悪くなってしまうからやらないのでしょう。

 ですから業者がM&Aというときには、基本的に「事業承継型M&A」のことを意味します。

■再生型M&A成功のためのコツ

 簡単にまとめると「再生型M&A」の場合は、金融機関からの支援と協力が前提条件になります。ですから、関係各所と緊密な連携をとった粘り強い交渉が必要になり、必ずしも成功するとは言い切れないところが難しいのです。

 事業が魅力的で社会性があり、世の中にとって残す価値があると金融機関や関係者から判断されなければなりませんし、また借入金の返済を止めてもらえれば資金繰りには困らないという程度には、資金繰りが回っていなければいけません。

「再生型M&A」は難しい手法のひとつですが、それだけにニーズが高いのではないかと考えています。私的整理ガイドラインもできて、特にローカルM&Aにおいては切っても切り離せないものだといえるでしょう。

 この「再生型M&A」に興味を引かれたのであれば、「再生型M&A」を扱っているアドバイザーや弁護士などに相談するのもいいでしょう。従業員の雇用を守るためにも、そして地域社会や経済を廃れさせないためにも、とにかく早く行動することが大切です。

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