著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

公開日: 更新日:

 先週末、域内経済社会を震撼させる「2つの衝撃」が南九州の地を駆け巡った。鹿児島市に本社を置く老舗百貨店「山形屋」の実質経営破綻の表面化と、ゲーム大手のセガサミーホールディングス(HD)による宮崎市の大型リゾート施設「フェニックス・シーガイア・リゾート」の“転売”だ。

 山形屋はすでに事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請。主力行の鹿児島銀行の主導でDES(債務の株式化)など有利子負債の圧縮と資本基盤の立て直しを図って経営再建を目指す。一方、セガサミーHDは傘下のシーガイア運営会社の全株を5月末、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに売却する(その後新たに種類株を引き受け2割出資残す)。

 とはいえ山形屋は2018年2月期以降、最終赤字が続き、昨年2月末には債務超過に転落した。シーガイアも1993年の開業以来、業績は底ばい状態。2001年の会社更生法適用申請後、「身売り」を重ねるなど流転の道をたどってきた。新たな売却先がファンドでは「更なる彷徨が続くのはほぼ確実」(メガバンク筋)で、いずれも再建の行方は「限りなく不透明」(同)と言わざるを得ない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗