著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

「津田沼戦争」を勝ち抜いたヨーカドーが閉店へ…空き店舗のまま“棚ざらし”の恐れも

公開日: 更新日:

「戦争」の遺構──と化す可能性もゼロとは言い切れない。

 無論、戦争と言っても軍隊を動員して戦火を交える本物の戦争ではない。千葉県習志野市から船橋市東部にかけてのベイエリアを舞台に流通大手各社が価格と品揃えなどを巡って激戦を繰り広げた顧客争奪戦で通称「津田沼戦争」と呼ばれている。

 それを「勝ち抜いた」(業界筋)とも言われた「イトーヨーカドー津田沼店」(習志野市)の閉店が固まった。すでに従業員などへの説明会が行われており、4月にも告知。9月に営業を終える。

 店舗を運営するヨーカ堂の親会社、セブン&アイ・ホールディングス(HD)幹部によれば、後継店舗は未定。土地・建物のオーナーは新京成電鉄だが、「まだ後継テナント探しに着手したばかり。メドは立っていない」と関係者。要するに空き店舗のまま、たなざらしにされる恐れも拭い切れないわけだ。

 実際、千葉県ではJR常磐線柏駅東口で営業していた「そごう柏店」が2016年9月に閉店。駅前の一等地にもかかわらず後継テナントが決まらず7年余りにわたって放置されてきた。23年6月になって太田和美・柏市長が買い取りの意向を表明。ようやくこの2月になって物件の所有者である三井不動産との間で跡地(約5200平方メートル)取得で合意したが、この間、東口駅前の賑わいは消失。「人流を変えた」(地元不動産業界関係者)とさえ言われている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い