有森隆
著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

大王製紙(下)脱創業家を掲げた佐光氏と中興の祖の“壮絶バトル”の行方

公開日: 更新日:

 カジノで散財し尽くした井川意高の父親で、大王製紙の中興の祖と呼ばれた高雄は2019年9月19日、心不全のため死去した。享年82。

 大王製紙は新聞用紙、段ボール原紙など産業用紙のメーカーだったが、創業家の2代目高雄は家庭紙に進出。ティッシュペーパーのエリエールは、今では大王の代名詞となった。

 父の死後、書斎から走り書きが見つかった。井川家を大王製紙から排除した佐光正義について、父は次のようなメモを残した。

「佐光とは共死(注:一緒に死ぬの意味だろう)しても構わない」

 カジノ資金を使い込んで失脚した意高の後任の社長になった佐光は創業家一族と距離を置くことを決意した。高雄にとってみれば、社長といえども使用人にすぎない。「引き立ててやったのに」、創業家支配からの脱却を打ち出したのだから、全面衝突した。

熔ける 再び そして会社も失った」は佐光が一族間の離反工作を働いた、と書いている。

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