“浪速のモーツァルト”キダ・タローさん逝去 関西のテレビ番組の“らしさ”を演出した大功労者

公開日: 更新日:

 “浪速のモーツァルト”の愛称で知られる、作曲家のキダ・タローさんが14日に逝去したことが明らかになり、悲しみが広がっている。

 3月29日に最高顧問を務める「探偵!ナイトスクープ」(ABCテレビ)収録後に転倒し大阪府内の病院に入院。その後自宅療養していたが体調を崩し、そのまま帰らぬ人となった。享年93。

 兵庫県宝塚市出身で、関西学院大学を中退し、ピアニストとして活動。作曲家として、かに道楽の「とーれとれピーチピチ、かに料理~♪」、豚まんの蓬莱の「551のほ~らい」などのCM、「プロポーズ大作戦」「ラブアタック!」(ともにABCテレビ、テレビ朝日系)などテレビ・ラジオ番組のテーマソングや、商品や番組の“顔となる曲”を数多く生み出した。その数“自称”5000曲とする適当具合に関西人らしさがうかがえる。同志社女子大学教授(メディア論)で元テレビプロデューサーの影山貴彦氏がこう言う。

「関西のテレビ業界では皆“キダ先生”と呼んでいました。僕は局内ですれ違う程度でしたが、この“センセ”という呼び方は、関西人の親愛の気持ちとリスペクトを込めた意味があり、キダ先生の人柄が偲ばれる。親しみ深いメロディーラインは今聴いても古さがなく、バラエティー番組の<テーマ→オープニング→本編>の形でキダさんの曲が“つかみ”になる。また、関西ローカルではタレントとして、ユーモアと時に毒舌で核心を突くコメントで、話術も卓越していた。私はABC放送の番組審議会委員長もしているのですが、あうんの呼吸で繰り出される、年齢を感じさせないトークはよく話題になりました。まさに“関西らしさ”を演出する関西番組の大功労者であることは間違いありません」

 22年から円広志が社長を務める「オフィスとんで」に美千代夫人と夫婦で所属。5000曲のキダ作品は今なお多くの人に愛され続けている。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…