「スペース金融道」宮内悠介著

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「スペース金融道」宮内悠介著

 金融会社・新星金融で働く「ぼく」は、上司のユーセフと取り立て業務を担当。2人が所属するのは人類が最初に移住に成功した太陽系惑星外の星、通称「二番街」の支社で、地球本社から17光年離れている。

 会社はバクテリアからエイリアンまで、返済してくれるなら見境なく融資する。ユーセフの取り立ては容赦ないが、一方で彼は敬虔なムスリムであり、量子金融工学のエキスパートでもある。

 そんな中、金を借りたアンドロイドが、別のアンドロイドの体を乗っ取り、元の体を破壊して死んだことにして返済を免れている事例が各地で発覚。それを始めた500年前のアンドロイドの痕跡をたどると、二番街統括政府の首相ゲベイェフに行きつく。

 異色の取り立て屋コンビを主人公にしたSFエンターテインメント。

(河出書房新社 968円)

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