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姫田小夏ジャーナリスト

中国・アジアを身近に捉える取材に取り組む。中国ウオッチは25年超、中国滞在経験も長い。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観 」(集広舎)。

「そごうクアラルンプール店」の健闘は“瓢箪から駒” 日本側が主導権を握らないのがカギ?

公開日: 更新日:

 地元市民を魅了するショッピングモールとは、どういうものだろう。マレーシアの人口(約3350万人)の6割弱を占めるマレー系住民の間で圧倒的に支持されるのは、ローカル資本の「パビリオン」や「スリア」である。首都クアラルンプールのモールに共通するのは“建物中央の吹き抜けの空間”で、シーズンや行事ごとに各モールは空間演出を競い合う。「ワクワクするような買い物空間」のプロデュースは日本資本もかなわない。

 こうした中で、市中心部北側に立地する「そごうクアラルンプール店」の健闘ぶりは意外だった。ウイークデーの夕方、マレー人のカップルや家族が、吸い込まれるようにして続々と店に入っていく。どのフロアも客でいっぱいだ。大衆目線の売り場づくりからしても日本人主導でないことは一目でわかる。

 調べてみると、同店にはこんな歴史があった。

「そごうクアラルンプール店」は1994年1月に高級小売店(マレーシア初出店)として創業したが、旧そごうグループの経営破綻を受け、そごうマレーシア現地法人の顧問弁護士だったアンドリュー・リム氏が2002年に事業を継承する。商標ライセンスによる運営で、現在、そごう・西武の資本は入っていない――。

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