著者のコラム一覧
姫田小夏ジャーナリスト

中国・アジアを身近に捉える取材に取り組む。中国ウオッチは25年超、中国滞在経験も長い。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観 」(集広舎)。

マレーシア「ららぽーと」に地元住民がソッポ…最大の誤算は歴史遺産を甘く見たこと

公開日: 更新日:

「ニトリはあちこちのモールで見かけますが、家具はマレーシアの住宅のスペックに合わない。ドンキも常に客で賑わっているとは言えない状況です。ドトールも頑張っているようですが、地元の人がおいしいと思うコーヒーの味は違います」──。12年近くクアラルンプールに住む日本人Aさんは「調査をすればわかるはずなのに。日本企業はマレーシア市場を甘く見ているのでは?」と不満げだ。

 三井不動産の「ららぽーと」も地元市民に背を向けられている。

 一年の中で最も消費が活発になるシーズンといわれる断食明けのハリラヤ。筆者はハリラヤ目前の3月の土日に「三井ショッピングパーク・ららぽーとブキビンタン・シティーセンター」を訪れた。来店客は少なく、テナントも歯抜け状態だった。

 フードコートは実に27店中11店舗が営業していない。食べることに目がないマレーシア人。ショッピングモールのフードコートは集客の心臓部に匹敵するが、「ららぽーと」のフードコートは、ショッピングフロアと同じく、指で数えられるほどの利用者しかない。イスとテーブルは自習室や打ち合わせ場所代わりに使われていた(同日、別のローカル資本のショッピングモールはどこも大盛況だった)。

 この「ららぽーと」が開業したのは2022年1月。店舗面積約8万2600平方メートル、全体敷地面積は約7万8500平方メートルの大規模プロジェクトだ。

 この広大な土地には、かつて刑務所があった。1895年に建てられたプドゥ刑務所の跡地に日本企業が進出してきたことは、マレーシアでも大きく注目された。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    夏の京都に異変! 訪日客でオーバーツーリズムのはずが…高級ホテルが低調なワケ

  3. 3

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  4. 4

    不倫報道の福原愛 緩さとモテぶりは現役時から評判だった

  5. 5

    ヒロド歩美アナ「報ステ」起用で波紋…テレ朝とABCテレビの間に吹き始めた“すきま風”

  1. 6

    中日立浪監督「ビリ回避なら続投説」は本当か…3年連続“安定の低迷”でも観客動員は絶好調

  2. 7

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  3. 8

    夏休み到来! 我が子をテレビやゲーム、YouTube漬けにしない「割と簡単にできる方法」

  4. 9

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 10

    新庄監督は日本ハムCS進出、続投要請でも「続投拒否」か…就任時に公言していた“未来予想図”