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鈴木照雄

1946年、長野・阿智村生まれ。塚原学園天竜高(現松川高)、大東文化大、河合楽器を経て、71年ドラフト11位で阪神入団。76年に太平洋クラブ(現西武)に移籍。78年クラウンライターが西武鉄道へ身売りするタイミングで引退、スカウトに転身。2006年までの28年間、関西と北信越の一部を担当。担当選手は清原和博、垣内哲也、和田一浩、松井稼頭央、中島宏之、栗山巧、中村剛也、炭谷銀仁朗ら逸材多数。現在は長野・飯田ボーイズの監督を務める。

稀代のスラッガー中村剛也が活躍すると判断した根拠 逆風吹いた“肥満体型”は問題視しなかった

公開日: 更新日:

 兵庫・育英の栗山巧を担当した2001年ドラフト。同じく鈴木が担当し、2巡目指名したのが大阪桐蔭の中村剛也(40)だ。

 13日時点で通算476本塁打は歴代10位タイ、本塁打王6度はプロ野球史上3位。希代のスラッガーは不惑を迎えた今季も4番を任されるなど、主力としてプレーしている。

 高校通算83本塁打をマークしたパワーは規格外ながら、高校3年時の体形は173センチ、95キロの肥満タイプ。しかも高校時代は一塁しか守ったことがなかった。スカウト間でも果たしてプロで通用するのか、疑問視する声があったのも確かだ。

「指名当初は中村の体形についてああだこうだ、言われました。『あれではプロで通用しない』なんてね。でも、私は全く問題視していませんでした。打撃はしっかりとバットを振り切り、見事の一言。3年夏は8試合で6本打ったものの、大阪大会決勝で上宮太子に負けた。当時の試合会場は今はなき藤井寺球場。球場は狭い方だったけど、汗が噴き出るほど暑かった中、涼しい顔をして本塁打を量産した。甲子園には一度も出てないですけど、同僚スカウトの評価も高く、2巡目で指名することになりました」

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