稀代のスラッガー中村剛也が活躍すると判断した根拠 逆風吹いた“肥満体型”は問題視しなかった
兵庫・育英の栗山巧を担当した2001年ドラフト。同じく鈴木が担当し、2巡目指名したのが大阪桐蔭の中村剛也(40)だ。
13日時点で通算476本塁打は歴代10位タイ、本塁打王6度はプロ野球史上3位。希代のスラッガーは不惑を迎えた今季も4番を任されるなど、主力としてプレーしている。
高校通算83本塁打をマークしたパワーは規格外ながら、高校3年時の体形は173センチ、95キロの肥満タイプ。しかも高校時代は一塁しか守ったことがなかった。スカウト間でも果たしてプロで通用するのか、疑問視する声があったのも確かだ。
「指名当初は中村の体形についてああだこうだ、言われました。『あれではプロで通用しない』なんてね。でも、私は全く問題視していませんでした。打撃はしっかりとバットを振り切り、見事の一言。3年夏は8試合で6本打ったものの、大阪大会決勝で上宮太子に負けた。当時の試合会場は今はなき藤井寺球場。球場は狭い方だったけど、汗が噴き出るほど暑かった中、涼しい顔をして本塁打を量産した。甲子園には一度も出てないですけど、同僚スカウトの評価も高く、2巡目で指名することになりました」