日刊ゲンダイDIGITAL

  • facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger
高橋乗宣
著者のコラム一覧
高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

デフレ脱却は物価だけで判断できない

 日銀が半年ごとにまとめる経済・物価情勢の見通し(展望リポート)が明らかになった。それによると物価上昇目標の2%は来年度中に達成するとある。再来年度は2.1%に到達するシナリオだ。

 黒田総裁は会見で、「目標達成は道半ば」と強調。物価上昇の見通しに狂いが生じれば、追加緩和に乗り出す構えを示したようだ。「出口の時期を特定するのは時期尚早」とも言ったらしい。ただ、シナリオ通りに推移すれば、出口戦略に軸足を移す考えだろう。

 さて、これは正しい判断なのか。

 物価は確かに上がっていくだろう。異次元緩和によって円の力は弱まった。食料品や燃料など、暮らしに直結する輸入品の価格はじわじわと上がっている。

 家畜の飼料も輸入頼みだから、国産の牛、豚、鳥、乳製品も値上がりが避けられない。原材料を輸入に頼る中小零細企業がコストを吸収するのは難しいため、価格に転嫁されていく。円安による物価上昇が続けば、目標とする2%の達成は高いハードルではないのかもしれない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のニュース記事