著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

東条英機は「10万人の英霊に申し訳ない」で軍人240万人を死なせた

公開日: 更新日:
第2次上海事変。塹壕から迫撃砲を撃つ日本兵(C)Underwood Archives/Universal Images Group/共同通信イメージズ

 東條の妥協のない戦争への論理は、閣議でも声高に叫ばれ、対米交渉を継続しての解決は無理であることが確認された。近衛を小声で励ます閣僚もいたが、東條の戦争むき出しの言には、恐怖を感じるほどだったとの証言も私は確認した。

 なぜ東條はこれほど露骨に対米交渉を壊し、9月6日の御前…

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