霞ケ浦“春高バレー指揮官”高橋監督「今から他競技でも県ベスト8は狙えます。部活動の指導は組織づくり」
高橋祐二(霞ケ浦/茨城/67歳)
きょう14日の2回戦で鳴門渦潮(徳島)と対戦する霞ケ浦。9日の初戦では中京(岐阜)を6-3で破り、2024年夏の智弁和歌山戦に続く甲子園2勝目を挙げた。高橋監督は霞ケ浦で4番・投手を務め、日体大では外野手としてプレー。1982年に保健体育教諭として母校へ戻ったが、最初に任されたのは男子バレーボール部。競技経験がない中で19年間指導し、01年に春高バレーへ導いた直後、野球部の立て直しを命じられた。それから25年。夏の甲子園出場は4度を数え、教え子からは9人のプロ野球選手が誕生した。現在は代表業務執行理事を務める異色の指揮官に、投手育成と組織づくり、部活動によって変貌した学校の歩みを聞いた。
◇ ◇ ◇
──霞ケ浦には毎年のように好投手がいます。スカウティングに力を入れているのですか。
「いや、むしろ他の私立高校に比べても弱いと思います。スタッフが私を含めて4人しかおらず、AチームとBチームに2人ずつ分かれているため、土日は自分たちの大会や練習試合で手いっぱい。中学生を見に行く機会は、なかなかありません。もちろん、コーチが『この子はいい』と見つけて声をかけることはありますが、集めているというより、向こうから来てくれるという感覚です。綾部翔(元DeNA)、根本薫(元オリックス)、遠藤淳志(広島)とプロ入りする投手が続き、インターネットやSNSで『霞ケ浦は投手が育つ』と広まった。有名校から誘われていても、『霞ケ浦で投手をやりたい』と言って、ウチを選んでくれる選手もいるんです」
──入学後はどのように投手を伸ばしているのですか。
「中心となるのは、30メートルの立ち投げです。通常の投球と同じフォームで、低い軌道を保ちながら長い距離を投げる。体重移動や下半身、股関節をうまく使えなければ、途中で球が垂れてしまうので、自然と体全体の使い方が身につきます。そうすると球筋やスピンが良くなり、初速と終速の差も小さくなる。30メートルでしっかり投げられるようになれば、マウンドからの18.44メートルが楽になり、制球力も上がります」
──実際、どのくらい伸びるのですか。
「球速で言うと、卒業までに15~20キロは上がります。もっとも、最初から130キロの選手だと上がり幅は少なくなりますが、目立たなかった投手もある程度のレベルまで成長できるのが、ウチの強みだと思っています」
──もともと野球部の指導を希望していたのに、なぜ男子バレーを19年間も続けたのですか。
「母校に戻った時は野球部の指導者が埋まっていたため、バレー部へ回りました。1年目はコーチで、練習試合中に眠ってしまうこともあった(笑)。ただ、2年目になる時に、『本気でやってくれ』と言われ、どうせなら中途半端ではいけないと、覚悟を決めて監督を引き受けました。30歳になる頃には野球部へ移る話もありましたが、全国を狙えるチームになっていたので、今バレーをやめるわけにはいかないと断った。そうして念願の春高バレーにも出場できました」
──未経験のバレーで全国大会、野球でも甲子園。競技が違っても、強いチームをつくれる理由は。


















