(2)病気でずれる「体の時計」…体内時計はどこにあるのか
私たちが朝目覚め、夜眠くなるのはなぜか。答えは、私たちの体に備わった「体内時計」にある。約24時間周期で生命活動を調整する仕組みのことで、睡眠と覚醒、体温、血圧、ホルモン分泌、免疫、代謝など、体のほぼすべての機能に関わっている。
かつて体内時計は、主に眠りと目覚めを調整する時間割的な仕組みと考えられていた。しかし近年の研究によって、体内時計は血糖値や脂質代謝、免疫機能、さらには老化の進み方自体にも影響する“生命活動の司令塔”であることが分かってきた。
最も重要な体内時計は、脳の視床下部にある「視交叉上核」だ。ここには時計遺伝子が強く作用している時計細胞が約1.5万個あり、親時計の役割を果たしている。光に敏感で、朝に太陽光を浴びると体内時計がリセットされ、活動に適した状態になる。一方、夜遅くまでスマートフォンやパソコンの光を浴びると、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌が抑えられ、眠る時間が遅れ、体内リズムが狂いやすくなる。
ただ、体内時計は脳だけに存在するわけではない。肝臓、膵臓、筋肉、脂肪組織など全身の細胞にも「末梢時計」と呼ばれる時計が存在する。これらは、それぞれの細胞にある時計遺伝子によって制御され、それぞれの臓器が働く時間帯を調整している。


















