夏の甲子園投手 プロ注目の4人をスカウト「ガチ評価」最注目の横浜・織田翔希には“意見”割れる

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 夏の甲子園は全出場校が初戦を終えた。連日、酷暑が続く中、ネット裏のスカウトからは暑さ以外のボヤキも聞こえてくる。

「今夏は甲子園で見るべき選手が極端に少ない。地方大会で番狂わせが相次ぎ、有望選手がことごとく脱落。甲子園に出てきた選手でも聖隷クリストファーの左腕・高部陸を筆頭に大学進学が決まっている選手もいますから」

 不作と口をそろえるスカウトたちにプロが注目する投手4人の「掛け値なし」の評価を聞いた。

横浜織田翔希「風間と重なる」「次元が違う」

 最大の注目を集めるのが、最速157キロを誇る横浜(神奈川)の織田翔希(右右、186センチ、80キロ)だ。初戦の沖縄尚学戦では8回3分の2を投げて6安打2失点12奪三振も、5四死球と制球を乱す場面もあった。この数字をどう見るかで意見は割れている。

 野手出身のスカウトが言う。

「気になったのは制球面です。プロ入り後、フォームに手を加える必要があるかもしれない。その際、うまく適応できるかどうか。織田とダブるのが、ソフトバンクの21年ドラフト1位・風間球打(秋田県・ノースアジア大明桜出身)です。風間はフォームを修正して迷路にはまり、イップスにも苦しんだと聞く。一軍登板のないまま、25年限りで現役を引退した。それでも織田の素材は間違いなくドラ1クラス。2巡目まで残る選手ではないので、欲しい球団は1位指名するしかないが、育成に不安のある球団は二の足を踏むでしょう。今秋は大学生投手が豊作です。即戦力の補強を迫られるBクラス球団が、リスクを承知で高校生の織田に1位の枠を使うのは難しいと思う」

 一方、投手出身のスカウトは「初戦の5四死球だけで、評価を下げるべきではない」と、こう話す。

「150キロ中盤を投げられる時点で稀有な才能です。他の高校生とは次元が違うし、球の伸びもいい。甲子園という大舞台での初戦で、しかも相手は昨夏優勝の沖縄尚学です。いやでも応でも力みますよ。仮に制球に不安があったとしても、私の経験からすれば、プロの環境なら直ると思います。メンタルなのか、技術なのか。原因さえ分かれば大丈夫です」

 高卒直メジャーもウワサされるが、スカウトからは「福岡出身の本人サイドはソフトバンク入りを希望しているとの情報もある」との声も聞かれた。「Aクラス」で「育成に自信」という球団は限られるが……。

■沖縄尚学・末吉良丞は「2年夏から伸びていない」

 織田と初戦で投げ合った沖縄尚学(沖縄)の末吉良丞(左左、176センチ、94キロ)については、今春に左肘を故障したとはいえ、昨夏からの成長を疑問視する声が相次いでいる。

「2年夏は圧倒的でしたが、そこからまったく伸びていない印象です。比嘉監督も『春先から調子が上がってこないんだよな』とボヤいていた。現時点でドラフト1位とは言い切れません。素材がいいのは確かですし、左腕というアドバンテージも大きい。まだU18もあるので、今後、我々を悩ませるような投球ができるかどうかでしょう」

 と、あるスカウトが言えば、別のスカウトはこう付け加える。

「体の使い方やメカニックを考えると、今のフォームではこれ以上、球速が上がらないように映った。プロに進み、もっと力を引き出せるフォームに修正して2、3年後の完成形を目指すイメージ。現状ではドラフト1位は厳しいでしょう。それでも彼のマウンドさばきは、見ていてすごく気持ちがいい。ピンチでも振る舞いが変わらないし、ナインから信頼される投手だと感じます。そういう部分は評価したい」

■大分商・平田玲翔は「2年目に一軍」の可能性

 スカウトが早期の一軍デビューを期待する投手が大分商(大分)の平田玲翔(右右、188センチ、80キロ)だ。

 初戦の日本文理戦では三回途中から救援し、最速151キロを計測。7回を5安打2失点に抑えて、逆転勝利を呼び込んだ。

「バッティングもいいし、運動神経がいい。瞬発力があるから、ボールをリリースする瞬間にマックスの力を出せる。特にいいのが、直球とスライダーのキレです。彼の直球には打球を前へ飛ばさせないような力がある」(セ球団スカウト)

 タイプとして名前が挙がったのが、23年ドラフトでロッテから3位指名された霞ケ浦(茨城)出身の木村優人だ。

「木村の高校生の頃を彷彿とさせます。素材型ではありますが、プロで体をつくれば、ひょっとしたら2年目に一軍デビューする可能性もある。ドラフト3、4位の候補に挙がると思います」(同前)

■中京・鈴木悠悟 指名順位を左右する「中日の動向」

 U18日本代表候補合宿に参加した中京(岐阜)の鈴木悠悟(右右、177センチ、75キロ)は投手として最速148キロ、打者として3番を打つ二刀流選手。初戦の霞ケ浦戦は5回3分の2を6安打5失点(自責3)、打っては七回に適時打を放ち4打数1安打1打点だった。

「投手としては正直、微妙ですが、打者としては面白いと感じました」

 と、パ球団のスカウトがこう続ける。

「1年時に遊撃を守っていたようで、複数ポジションができるのは魅力です。もっとも、野手としても下位指名クラスでしょう。ただ、中日が『地元密着』ということで、県大会も7人態勢で視察していたと聞く。他球団が本気で欲しいのであれば、中日に先を越されないようドラフト3位くらいで指名する必要がある。『支配下縛り』らしいので、育成指名はなさそうです」

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