著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

結果はすぐに出ないもの これだから秋季キャンプは楽しい

公開日: 更新日:

 しかし、山本昌コーチもさすがの熟練度と引き出しの多さがあるため、そんな藤浪にもまだまだ次の一手を用意していると言い、今後に期待感を抱かせる。

 かつて江夏豊氏が臨時投手コーチとして藤浪を指導したときも、藤浪の頑固さ(聞く耳をもたないところ)が話題になったが、あのころの藤浪(不振前)と今の藤浪とでは状況の深刻さに雲泥の差がある。また、藤浪から見れば、江夏氏はさすがに前時代すぎるが、今回の山本昌コーチなら藤浪も現役時代を知っているため、説得力が違うのではないだろうか。

■まだ見ぬロマンのため…

 そう思うと、ますます山本昌コーチと藤浪の日々は楽しく、ニュースを見聞きするたびに復活を期待してワクワクしてしまう。もちろん、だからといって、いざ本番が始まれば、またいつもの制球難が復活するかもしれないが、それもまだ先の話だ。来季の開幕までは、あと半年もある。

 これだから秋季キャンプは楽しいのだろう。一般的には2月の春季キャンプのほうが認知度も注目度も高く、秋は地味に思われがちだが、秋のいいところは結果がすぐに出ないところだ。開幕も遠く、オープン戦もないため、練習風景を純粋に楽しめる。たまの紅白戦程度で多少ミスが目立ったとしても、まだ先があるから気にならない。

 本来、練習とは本番のためにあるものだが、秋の練習には「まだ見ぬロマン」のためという別の趣がある。山本昌コーチと藤浪の二人三脚に効果が出るかどうかはわからない。だけど、ロマンにあふれた秋だとは思う。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 2

    ドジャース大谷が佐々木朗希への「痛烈な皮肉」を体現…耳の痛い“フォア・ザ・チーム”の発言も

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    巨人に漂う不穏な空気…杉内投手チーフコーチの「苦言連発」「選手吊るし上げ」が波紋広げる

  2. 7

    星野監督は中村武志さんを張り倒した直後、3ランを打った隣の俺にも鉄拳制裁…メチャクチャ痛かった

  3. 8

    (1)身内すらも“監視し欺く”情報統制…機密流出犯には厳罰、まるで落合博満監督のよう

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希は「ひとりぼっち」で崖っぷち…ロバーツ監督が“気になる発言”も

  5. 10

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった