「横綱」武田葉月著
第45代の若乃花幹士(初代)は、昭和21年に北海道で巡業中の後の師匠、大ノ海関に誘われ入門。10人兄弟の長男として一家の家計を支えていた氏は、3年で関取になると兄弟に誓って、故郷を後にする。自分と同じく小柄ながら、同門の先輩を次々と倒していた栃錦との初対戦は前頭筆頭だった昭和26年5月場所。以来、栃若時代と呼ばれる名勝負を重ねるが、この初戦が相撲人生の一番の思い出の取組だと語る。
その他、序ノ口で貴花田(後の横綱貴乃花)と初対戦して以来、若貴兄弟を追い越すために毎日けいこに励んだという曙(第64代)など。白鵬ら現役も含め歴代22人の横綱が、「綱の重み」を語るインタビュー集。
(講談社 780円+税)