「のこった」星野智幸著

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 2016年、NHKが「今年は日本人力士の優勝と日本人横綱の誕生が期待される」キャンペーンを始め、日本人力士と外国人力士の線引きを行った。その前年、白鵬稀勢の里戦でおっさんが「日本人力士がんばれ!」と言ったので、著者はぶち切れて「白鵬! 白鵬!」と叫んだ。一方、「スー女(相撲女子)」には「モンゴル人だから」という境界はない。鶴竜は横綱なのに「かわいい」から好きなのだし、稀勢の里は「日本人だから」でなく「魔性の男」だから好きなのだ。著者はスー女と、元琴欧洲ら外国人親方に平等に相撲が取れる環境づくりを期待する。「日本人ファースト」が蔓延する角界を憂う相撲ファンの熱い思いがこもった一冊。

(ころから 1600円+税)

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