「戦前の大金持ち」出口治明編
戦前の実業家たちのスケールの大きな型破りな生き方に学ぶ評伝集。
長崎の貿易商の息子に生まれた梅屋庄吉は、14歳のときに訪れた上海でアヘン戦争後の大陸の現実に直面。その後、シンガポールや香港で写真館を開いた同氏は、中国の革命家・孫文と出会い、東洋平和の実現を目指し意気投合。進出した映画ビジネスで築いた巨万の富を、孫文に送り続け、辛亥革命を資金面で支えたという。
その他、小作人の家に生まれ、職を転々とした末に不動産業で稼いだお金をつぎ込んで世界に冠たる美術館をつくった足立全康や、日本の林業の礎を築き、自由民権運動を支援した土倉庄三郎など、7人の傑物の型破りな発想力の秘密に迫る。
(小学館 780円+税)