「昭和芸能史 傑物列伝」鴨下信一著

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<美空ひばりと国民栄誉賞>

 テレビ界の大御所が、国民栄誉賞を贈られた往年の大スターたちの足跡をたどり、その芸の本質を考察した芸能本。

 平成元年に亡くなった美空ひばりの国民栄誉賞受賞が決まったとき「生前にあげておけばよかったのに、申し訳なかったと、日本人皆がいっているような感じだった」と述懐。なぜならこれほどいじめられた人もいないからだという。

 少女歌手時代に人気がありながら嫌悪された理由、そして家族への非難を彼女に転化する世間の背後にあった戦争の名残などを考察する一方で、人々を魅了したその歌声の秘密などにも言及。昭和の歌姫の人生に戦後の日本人の意識の変遷を重ねる。

 その他、長谷川一夫、森繁久弥ら5人を取り上げる。
(文藝春秋 790円)

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