「本を贈る」若松英輔ほか著
装丁家の矢萩多聞氏は、ある日、知人に紹介されたカメラマンと意気投合、彼の写真集のデザインをすることになった。ところがこだわり過ぎて予算オーバーしたため、製本を自分たちでやることに。見知らぬ人の手も借りながら仕上がった本は世界中で称賛され、また本に関わった人たちが大きな輪のようにつながった気がしたという。
やがて矢萩氏はユニークな本をつくる南インドの「タラブックス」の取材や、オンデマンドで文庫本をつくり流通させた経験から、たった一冊の本を通して、他者を思い、つながることができると考えるようになる。
その他、校正者、書店員、本屋など、贈るように本をつくり本を届ける10人のエッセーを収録。
(三輪舎 1800円+税)