「いっちょうけんめいやります」誕生秘話…二つ目昇進時に

公開日: 更新日:

「いっちょうけんめい」は、それほど定着したキャッチフレーズなのだ。

 二つ目になると、一朝は同世代の仲間と「若手花形落語会」を結成する。メンバーは、柳家さん喬、五街道雲助、柳家小里ん、入船亭扇遊など、現在寄席の主力になっている連中だ。一朝は定期公演でネタ下ろしに励んだ。現在、持ちネタは150席を超えるが、ほとんどは、前座と二つ目の時代に覚えたものだという。

「柳朝が『とにかく噺を覚えろ』とうるさいほど言ってたのは正しかったんです。確かに、若い時分に覚えた噺は忘れなくて、何十年ぶりに思い出しながらやってみると覚えてるもんでして」

 古今亭志ん朝の十八番「火焔太鼓」も覚えた。

「うちの師匠と志ん朝師匠は<二朝会>という会をやっていたくらい仲が良かったんで、師匠が『火焔太鼓を教えてくれ』と、家に志ん朝師匠を呼びつけた。稽古してもらうのに(笑い)。その場にあたしがいて、聞いてて覚えちゃった。もちろん恐れ多くてやりませんでしたけど」 =つづく


(聞き手・吉川潮)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃