著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

食品保存料が高血圧や心血管疾患のリスクになる? 欧州心臓病学会誌が掲載

公開日: 更新日:

 食品に添加される保存料は、微生物による腐敗や病原菌の増殖を防ぎ、賞味期限を延ばす役割を担っています。また、クエン酸やビタミンEなど、保存料として用いられる物質の中には、血圧を下げたり心臓病のリスクを低下させたりする物質も存在します。そのような中、保存料の摂取と高血圧や心臓病のリスクの関連性を検討した研究論文が欧州心臓病学会誌の電子版に2026年5月20日付で掲載されました。

 フランスで行われたこの研究では、15歳以上の11万2395人(平均42.8歳、女性78.7%)が対象となりました。研究参加者に対してオンライン上で食事内容を記録してもらい、保存料の摂取量が最も少ない集団から最も多い集団まで3グループに分類しています。

 また、患者の自己申告や公的なデータベースを用いて、研究参加者の高血圧および心臓病の発症に関する情報が取得され、保存料の摂取量との関連性が解析されました。なお、保存料は心臓病のリスクの低下が示唆されている抗酸化作用のある保存料と抗酸化作用のない保存料に分けて解析されています。


 中央値で7.9年にわたる追跡調査の結果、抗酸化作用を有さない保存料では、摂取量が最も少ない集団と比べて、最も多い集団で心臓病の発症リスクが16%、高血圧の発症リスクが29%、統計学的にも有意に増加しました。抗酸化作用のある保存料も同様に、高血圧の発症リスクが22%増加したものの、心臓病については明確な関連性を認めませんでした。

 論文著者らは「解析結果の一般化には慎重な判断が必要だが、今後も同様の研究結果が報告されるのであれば、食品添加物の規制に対する再評価も視野に入れるべきだ」と考察しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希をヤンキースが強奪へ…大谷翔平&山本由伸を奪われた名門が企んだ雪辱戦

  2. 2

    ゾンビたばこ広島に黒田博樹監督待望論 「打てない、守れない、人気ない」三重苦で新井監督はクビ不可避

  3. 3

    佐々木朗希また抹消…中6日も守れない“ひ弱な怪物”をそれでも全30球団が欲しがったワケ

  4. 4

    「24時間テレビ」放送1カ月前に日テレ局内に流れる微妙な空気…猛暑の中の星野真里マラソンに大逆風

  5. 5

    小園はセーフ? 広島「矢野だけ抹消」にファン激怒! “ゾンビたばこ”騒動で不可解な線引き

  1. 6

    やっぱり副首都法案は「大阪ありき」“クセ強”野党議員の追及に維新まともに答えられずポンコツ露呈

  2. 7

    核議論に「タブーなく」で物議…小泉進次郎防衛相が“覚醒キャラ”で危険発言を連発する狙い

  3. 8

    高市首相が追い込まれ「陳述書」提出で墓穴…中傷動画&サナエトークン両疑惑が蒸し返される大誤算

  4. 9

    AKIRA版はなかったことに? 反町隆史GTO放送開始で荒ぶる「2012年派」

  5. 10

    内田有紀の「老眼鏡姿」に称賛の声 次は「グレーヘア」でさらなる進化の予感