振り回される楽しさ! 猫文庫本特集(4)猫と話せる、呪いをかけられた店主「猫と罰」宇津木健太郎著
人に飼われているくせに、勝手気ままで、何やら不思議な能力を秘めていそうな幻想を抱かせる。そんな猫に振り回される楽しさに、どっぷり漬かってみよう。
◇ ◇ ◇
「猫と罰」宇津木健太郎著
猫には9つの命があるという。野良猫のクロは何回も生まれ変わり、3つ目で「金之助」という癇癪持ちの男に飼われた時は名無しだった。古本屋「北斗堂」の店主・北星恵梨香が、猫たちと「今日は雨降るかな」などと会話しながら飲み水を皿に入れてくれるので、いつもほかの猫と一緒に店先に集まる。
ある日、中年女が娘を捜しに来ると、恵梨香は猫たちにマドカちゃんを捜してと頼んだ。彼女は猫と意思疎通ができるのか?
茶白の雌猫ルルは、恵梨香が摩訶不思議なのではなく、この北斗堂が奇妙なのだと教えてくれた。恵梨香には呪いがかけられている。最も愛するものを奪われ、その最愛のものを傍らに置きながら、決して手に入れられないと自覚して生きるのだと。
不思議な古書店の店主と、9つ目の人生(?)を生きる猫の物語。 (新潮社 693円)


















