ウルトラセブンで主演の森次晃嗣さん「ずっと“モロボシ・ダン”と見られるのが嫌だった…」
森次晃嗣さん(俳優/83歳)
7月10日は「ウルトラマン」がテレビに登場して60年を迎えた「ウルトラマンの日」。そしてシリーズの最大のヒット作といえば、来年で60周年を迎える、♪セブン セブン~が大流行したモロボシ・ダンの「ウルトラセブン」だ。主演の森次晃嗣さんが藤沢市内で経営するカフェレストラン「ジョリーシャポー」を訪ねた。店内にはファンがプレゼントしてくれたというウルトラセブングッズがたくさん飾られている。
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「ウルトラセブン」は中国でもすごい人気らしくてね。今年のGWは大変でした。お店の前からずっと後ろの方まで人が並んじゃって。日本人より中国の方が多くて。半分以上がそうでしたね。近所の人には「何かあったんですか」って言われました(笑)。
セブンをやってよかったか? 今ではよかったと思っています。最初は60年も愛されるような作品になるとは思ってもいなかった。モロボシ・ダンは宇宙人です。それが地球を守るために人間になって闘う。セブンはそういうシンプルさが多くの人に広く受け入れられたんだと思います。
でも、セブンの後は何に出てもウルトラセブン、モロボシ・ダンと言われてね。そのイメージを消すことができなかった。あの頃はどっちに見られても嫌でね、そう見られることが許せなかった。それが40年以上も続きました。
吹っ切れた時は60歳を過ぎてたかな。もう何を言われようが、僕は違う番組で違う役を演じているんだから、どう見られてもいいと思えるようになった。視聴者にとってはモロボシ・ダンやセブンのイメージで見ていても、演じている僕が殿様の役やヤクザの役をやっていることに納得していればいいと、割り切ることができるようになった。
僕の基本的な考え方は自然体。
例えばお酒を飲むにしても仲のいい友だちと酌み交わす。若い時に比べて酒量もだんだん減るから、控えめに。人付き合いでも北海道出身のカラーなのか、無理してお世辞を言うこともないし、逆にお世辞を言う人も受けつけないんです。嘘っぽいなというのはわかるし、かといってそれを責めようとも思わない。そういう人と無理に付き合う必要はないと思っています。無理なく、愉快に一日一日を送ることを心がける。何ごとも自然体です。
■時代劇に多数出演、師匠は萬屋錦之助さん
セブンの後はホームドラマ的な作品に出て、30代手前からは時代劇に数えきれないくらい出ました。(撮影所がある)京都に行くようになったきっかけは大川橋蔵さんの「銭形平次」です。3年くらいやりました。それをやりながら京都でのしきたりをしっかり覚えました。太秦には京都映画、大映、東映の3つの撮影所があって封建的なところもあるし、スタッフは職人肌です。主役でもゲストでも扱いは同じ。まずそういう人に好かれることが大切です。挨拶の仕方や付き合い方については厳しいですから。
時代劇では萬屋錦之介さんが師匠だと思っています。言葉はもらっていないけど、作品はなるべく見るようにし、錦之介さんの演技を見よう見まねで覚えました。時代劇は所作ごとが多い。着物の着方から二本差しの差し方、草鞋の履き方まで基礎が大切です。1年や2年では覚えられない。今はそれを知らないで時代劇をやっている若い人が多いですけどね。
カツラが似合う? そうですね。自分でもかぶるとスーッとハマるような感覚はあります。カツラは合わない方ではない気がします。
東野英治郎さんの時代の「水戸黄門」には50本くらい出ていると思うけど、ホント、数えるのも嫌になるくらい時代劇はやりました。
時代劇の他に舞台もやっていたので、ずっと東京と京都を行ったり来たりで一日に新幹線に3回乗ったこともある。向こうで舞台がある時は3カ月は帰ってこれなかったですね。それでも正月には帰ってきたのかな。帰ってくると家の壁紙が変わっているなんてこともしょっちゅう。
子供は3人ですが、僕の仕事のことをどう理解していたのかは疑問です。今振り返ると子育ての時期に父親がいないわけで、言われたことはないけど、迷惑をかけたんだろうなと思います。


















