人生全体がぐちゃぐちゃ…それでも人間は生きていける モデルのkumo.さん語る乳がんと人生

公開日: 更新日:

kumo.さん(モデル・クリエーター/年齢非公開)=乳がん

 2024年9月に右胸を、2025年6月に左胸を全摘手術しました。正直、「男性が乳がんになる」というイメージがなかったからショックではなく、“知識のなさ”を突きつけられた感じがしました。全摘と言われても、今と同じくらい痩せてペッタンコだったので「どこ取るの?」が最初の疑問でした。結果、壁だった胸が、もっと壁らしくなった感じです。

 乳がんが見つかったのは、週1回、女性ホルモンを打っている関係で必ず受けなければならない定期的な血液検査でした。「数値がおかしい」と言われて検査を受けたら、右胸にステージ2の乳がんが見つかりました。

 女性ホルモン注射を打っているのは、「性同一性障害」という病気の治療のためです。性同一性障害の診断を受けるために1年間もカウンセリングを受けて、やっと認めてもらったのです。その後、睾丸摘出手術も受けました。だから体の中でホルモンがつくれず、外から入れないとホルモンが枯渇して、骨粗しょう症や肌荒れ、体力減退の原因になるのです。

 女性ホルモンの注射と乳がんの因果関係はよくわかりません。可能性はゼロではないかもしれませんが、自分は治療をしていたおかげで早期発見できたと思っています。それまでの私は風邪ひとつひいたことがありませんでした。だから、「自分は丈夫だ」と思っている人も、健診を定期的に受けてほしいと思います。

 入院は4日間。思い切って個室にしたので特別なエピソードもないんですけど、手術の直前は緊張で大好きなご飯が食べられなくなりました。

 ひとりの時間が多かったので、病気というより“私の人生”について考えを巡らせました。「人生のイベント多すぎるな」って……。

 幼稚園の頃に父親から虐待やレイプを受けて、児童相談所にあずけられ、その後は児童養護施設を転々としながら中学生になりました。成績は上位だったので高校は推薦入学。男子校ですけど(笑)。学費免除だったものの、成績が落ちると学校をやめさせられてしまうから、勉強は頑張っていました。同時に卒業後は海外の学校へ行くことを夢見て、懸命に働いてお金を貯めました。けれど、夢の実現には全然お金が足りなくて挫折。学校と揉めたことも含めて自暴自棄になって、3年生で中退しました。

 その後、いろいろあって地下アイドルとしてデビューして、「さあ、これから」というときに乳がんです。でも、入院中も続けていた配信に寄せられた応援や励ましのコメントが支えになりました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    木村拓哉の千葉支援に重なる“解散から10年”SMAPの絆 義援金2000万円を届けた行動力

  2. 2

    (6)甲斐拓也が松井巨人に“切られた”本当の理由…成績低迷に加え「福岡帰省連発」でもヒンシュク買っていた

  3. 3

    申ジエを見ていて苛立った…国内ツアーは「スロープレー」の撲滅をそろそろ啓蒙するべきだ

  4. 4

    (1)松井秀喜監督で“淘汰される選手” 「確率が高いものを大切に。守備走塁は100%」の真意

  5. 5

    テニス部キャプテンを務めた“スポーツマン”日村勇紀と“お嬢様”神田愛花が歩んだキャリア

  1. 6

    (5)松井監督が自覚する「優柔不断」…高橋由伸ヘッドコーチも“同類”という懸念

  2. 7

    「VIVANTに出てるんだから口閉じろ」…キムラ緑子の高市首相批判に噛みつくSNSの異常と低レベル

  3. 8

    中日一軍打撃コーチ就任の所信表明 キャンプで真っ先に「変えたいこと」がある

  4. 9

    阪神・藤川監督に「裸の王様」の懸念 選手&スタッフを驚愕させた「コーチいびり」

  5. 10

    米球界挑戦の横浜・織田翔希は間違いなく巨人入りに翻意する 松井監督誕生で見えた“説得の筋書き”

おすすめ求人情報

Sponsored by 求人ボックス