著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<90>野崎幸助さん宅の家宅捜索は午後になっても終わらなかった

公開日: 更新日:

 野崎幸助さんの自宅の家宅捜索の様子を見ていてもしょうがないので、私はテレビディレクターのスーさんを誘って、野崎さんの会社「アプリコ」に向かった。現場から歩いて1、2分で、鉄筋コンクリート4階建てのビルにアプリコがある。この建物の前にも記者らしき男女が数人立ち、ピリピリとした空気が流れているが、そんな中を私とスーさんがあっさりと事務所に入っていくのを不思議そうに見ていた。

 事務所内での取材は全て断っているので、従業員が事務所から出るたびに記者たちはぶら下がりの取材で囲みにくる。早貴被告は家宅捜索に立ち会わなければならないからいないのは分かっていたが、どうやらそれに大下さんも付き合っているようで、事務所に彼女たちの姿はなかった。

「お久しぶりです」

 取材に何度も来ているのでスーさんは従業員たちとは顔なじみである。

「お元気そうですね」

 金庫番の佐山さんも笑顔を見せた。

 社内には、ドン・ファンに拾われて会社を手伝っていたことがあるヒゲのMと元従業員のSさんの姿もあった。2人は仕事で出かけている従業員のデスクの椅子に腰かけて、笑顔を見せながら大きな声で談笑している。

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