ユーレイより恐ろしい⁉ ダークな心を描く本特集(3)閉塞感漂う団地が舞台の切ない人間模様
「ルミネッセンス」窪美澄著
隙間時間にも手に取りやすい文庫本。短編集であれば著者の魅力が凝縮された何編もの物語が楽しめるため、満足感も高い。今回は、実在の結婚詐欺事件を材にしたものから心をえぐる物語まで、ダークな4冊をピックアップ。本格的な読書の秋が来るまでの肩慣らしにいかが。
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「ルミネッセンス」窪美澄著
昭和という時代を深く刻んだ団地が舞台の連作短編集。
教師生活30年の諒一は、教育に対する情熱もなく、私生活ではバツイチで子供もいない。老いた母の介護のため、週末に実家の団地へと通うだけの毎日だ。
ある日、ふと立ち寄ったバーで美しい少年と出会う。どう見ても15、16歳にしか見えない彼は、客の男に“買われて”店を出ていくことがあった。警察に届けようとする諒一だったが、学校とは縁がなかったと話す少年に勉強を教えるうち、いつしか惹かれている自分に気づく。(「トワイライトゾーン」)
団地のそばで、父が残した寂れた文房具屋を営む由紀子。かつて、万引をした団地の少年を父が死に追いやったという噂を聞いた由紀子は、ノートを買いにくるたったひとりの少年にその姿を重ね、店を開け続ける。(「蛍光」)
閉鎖的な場所から出ていく手段のない主人公たちの、やるせなさや息苦しさが残酷なまでに描かれている。 (光文社 770円)


















