(4)「乗っ取り屋」横井英樹を怒鳴りつけて追い返した
輝いていた日本は、もう遠い昔だ。世界2位だった経済大国から転落し、人口も急激に減少──と、日本は衰退の一途をたどっている。
どうして日本は力を失ってしまったのか。どうすれば、あの時代を取り戻せるのか。ヒントになるのが、戦後の全盛期を築いた男たちの生きざまだ。
セゾングループの総帥・堤清二(1927年-2013年)が語った、男たちの素顔をお届けしよう。
株の世界は魑魅魍魎の世界だ。そこにはさまざまな怪人物がいる。
「乗っ取り屋」の異名をとる横井英樹が堤清二のもとを訪ねてきたのは、昭和46年のこと。会うなり「西武鉄道の株を持っている。買い取ってもらいたい」と申し出てきた。
どうやら横井は、堤清二と堤義明の異母兄弟が対立しているとにらみ、水面下で取得した3%程度の西武鉄道株を清二に買い取らせようと考えていたようだ。清二の異母弟・義明は、当時、西武鉄道のオーナーだった。
「株を買ってくれといってきたのです。僕もそう言い出すのではないかと、見当をつけていましたから、すぐさま『そうするとあなたは、僕に株を買ってもらいたくて来たのか。それにしては、あまりにも頭が高いじゃないか』とぶちかましてやったんですよ。履いていた靴を脱ぎ、その靴で机を思いっきり叩き『きさまのようなやつには絶対妥協しないからな。わかったか!』と怒鳴りつけました」


















