著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<89>家政婦を疑った捜査陣 M警部補の目は笑っていなかった

公開日: 更新日:

 通夜が行われる29日の朝、私とテレビディレクターのスーさんは、野崎幸助さんの自宅に向かった。

 自宅は再び家宅捜索中で、喪服を取りに来た私と、門番役の警官が押し問答をしていると、背後から別の2人組の刑事に声をかけられ、捜査に協力をするよう打診された。

「もしかしてドン・ファン殺害の犯人の目星がついているんじゃないの?」

 カマをかけてみた。

「いやいや、そんなことはありません」

 そうは言うが、口調が自信にあふれているようにも感じられる。

「大下さんを疑っているんじゃないですか?」

「どうしてですか?」

 苦笑するM警部補の目は笑っていなかった。

「だって、供述がコロコロと変わるんでしょ」

「はあ?」

 とぼけているが、図星であることが、表情から読み取れた。

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