「老後の二大不安」介護と病気に必要なお金はいくら? 注意点も含めて解説
「老後の不安といえば、やはり健康です。認知症などの病気やケガ、介護が必要になったらどうするか。誰に頼るか。気をつけていれば解決できる問題ではありません」
東京都在住の会社員、野口功氏(68)は、健康への不安を口にする。
60代に入って以降、心疾患を患い、数度の入院手術を受けた。白内障手術も経験した。かかりつけ医からは、血圧も高め、糖尿病にも注意といわれている。飲み薬は欠かせない状態だ。
老後特有のライフイベントは、老化に伴う「介護費用」と「病気やケガに伴う医療費」だ。老後資金は、老後生活が続くに従って目減りする。だが、この老後の2大ライフイベントは、時間の経過とともに発生する確率が高まっていく。
①介護費用
月々発生する介護費用は、在宅介護が8万円前後(在宅サービスの内容にもよる)だ。介護する側の家族の労力負担も大きく、「目に見えないお金」も多大に発生する。
公共の特別養護老人ホームは、本人の所得により6万~15万円程度、民間の介護付き有料老人ホームは15万~30万円前後が必要だ。