ネットに溢れる五輪“非公式”エンブレムが採用望み薄なワケ
ネット上は“非公式エンブレム”が花盛りだ。佐野研二郎氏(43)がデザインした東京五輪の公式エンブレムが撤回されて以降、腕に自信のある人々がエンブレムを勝手に制作し、ツイッターなどに公開する動きが活発化している。
なかでも注目を集めているのが、お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣(35)が自身のツイッターに公開した作品で、ネットの住人からは「天才」「秀逸」など絶賛の声が巻き起こっている。
「残念ながら、ひとたびネット公開したエンブレムが正式採用される可能性は極めて低い」と言うのは、知的財産権に詳しい鈴木崇裕弁護士だ。こう続ける。
「今や世界の誰もがネットにアクセスできる時代です。優れた作品ほどオープンにしてしまうと、悪意を持った第三者がそれを見て、勝手にどこかの国に商標出願し、不正に権利を取得しかねません。“使用するなら権利を買い取れ”と法外な金額を吹っかけてくる恐れもあります。訴訟などを通じて著作権を証明することは可能ですが、五輪の公式エンブレムは、あらゆる国のあらゆるスポンサーが使えることが大前提。無用なトラブルを抱える恐れのある作品が選ばれないのは当然でしょう」
本気で公式エンブレムの座を狙うのなら、ネット公開は自殺行為にもなりなねないということだ。能ある鷹は、やはりツメを隠すべきなのか。