安倍自爆解散の結末を大胆予想 混沌の先に何がある<上>
民進解体、希望“合流”で自民党は右往左往
ついに安倍政治に怒りの鉄槌が下されるのか。
28日正午の本会議で衆議院が解散され、事実上の選挙戦に突入したが、東京都の小池知事が代表就任を発表した「希望の党」と民進党の“合流”が急転直下で決まり、自民党議員は右往左往だ。
「総理が解散を決めた1週間前は、楽勝ムードでした。北朝鮮のミサイル危機で内閣支持率が上向き、小池新党の準備も整っていない。『絶好のタイミングだ』と、党内は総理の判断をおおむね好意的に受け止めていた。ところが、25日に小池さんが新党の代表に就任すると発表した瞬間から雲行きが怪しくなってきた。安倍政権との対立軸を打ち出した小池さんに話題をかっさらわれ、あれよあれよで民進党と合流、100人規模の野党勢力ができた。予想外の急展開で、こんなことなら、解散なんて打たない方がよかったんじゃないか」(自民党ベテラン議員)
1強多弱にあぐらをかいた安倍は、野党の共闘態勢が整っていない「今なら勝てる」と冒頭解散の奇襲に打って出た。森友・加計疑惑で追い詰められ、総選挙に勝利して“リセット”する必要があったからだ。自民議員も「これは総理とお友達のための解散だ」と認めていた。それでも勝てるなら文句はないのだろうが、小池新党の勢いに押され、解散を延期するという情報まで流れる混乱ぶりだった。
衆院解散後、恒例の記者会見を取りやめた安倍は、街頭に出て「寄せ集めの政党から生まれるのは希望ではなく混乱だ」と批判していたが、自民党が有権者に訴える政策は何もなく、防戦一方になるのは間違いない。
「油断させておいて、水面下で周到に準備を進め、一気呵成に攻めてきた小池知事の方が一枚上手だったということでしょう。自民党にとっては完全に誤算です。明らかに雰囲気が変わりつつあります」(ジャーナリスト・横田一氏)
すっかり小池のペースになっている。