「ここが一番おもしろい!国宝の謎」歴史の謎研究会編
現在、国宝に指定されているのは美術工芸品など全1108件。その中から選りすぐりの逸品を豊富なエピソードと共に紹介するガイドブック。
江戸時代、福岡湾に浮かぶ志賀島で見つかった「漢委奴國王」と彫られた金印は、昭和29年に古代の日本と中国を結ぶ史料として国宝となった。江戸時代から偽造説が後を絶たなかったこの金印が本物と証明されたのは、昭和56年に中国で同じ工房の同一人物によって作られたと思われる兄弟印が見つかったからだという。
その他、祭祀に使われていたと思われるが、調理に使用した形跡も残っていた縄文時代の火焔型土器「縄文雪炎」、諜報員という別の顔を持っていた可能性をうかがわせる漂泊の画僧・雪舟の「天橋立図」など39点を解説。(青春出版社 760円+税)