「キャッツ・アイ」R・オースティン・フリーマン著、渕上痩平訳
弁護士のアンスティは、帰宅途中に不審な人物を見かける。直後に女性の叫び声を聞いて駆けつけると男と女がもみ合っていた。アンスティは、逃げ出した男を追いかけるが見失ってしまう。
女性によると男に知人を殺されたという。現場に行くと、被害者は大法官庁裁判所の弁護士・ローレンスの兄・アンドリューだった。ブレイクと名乗った女性は、雑誌で見かけたアンドリューの宝石のコレクションを見学にきたという。賊はコレクションのキャッツ・アイの指輪などを持ち去ったが、どれも高価なものではなかった。アンスティは、警察を信用しないローレンス卿から事件の究明を依頼された法医学者のソーンダイクとともに捜査に着手する。
20世紀初頭に発表された英国の長編本格推理。 (筑摩書房 950円+税)