「マーベル映画究極批評」てらさわホーク著
マーベル映画「アイアンマン」の原作のコミックスではベトナム戦争が舞台になっているが、映画では、それが現代のアフガニスタンに置き換えられている。同じヒーローものでも、キャプテン・アメリカは舞台が第2次世界大戦に固定されているが、アイアンマン映画は時代に応じて後ろ倒しにアップデートされてきた。
映画もコミックスもベトナム戦争、湾岸戦争、中東での対テロ戦争と背景を変えるだけで、アップデートは完了する。アイアンマンは常に戦争から生まれるが、アメリカは戦争という題材には事欠かないことに気づいて、著者は慄然とする。
「アベンジャーズ」などのヒーロー映画を作り続けるマーベル映画を読み解く。
(イースト・プレス 1700円+税)