ヤマトHDを苦しめる「2024年問題」…大幅減益で株価も大幅下落
ヤマトホールディングスの株価が大幅に下落している。同社は8日に2024年3月期の決算を発表したが、営業利益は前期比33.3%も少ない401億円となった。当初の24年3月期の見通しは、営業収益1兆8600億円(前年比3.3%増)、営業利益800億円(前年比33.1%増)、経常利益810億円(前年比39.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益500億円(前年比8.9%増)と増益見通しだっただけに、市場の落胆は大きく、9日の同社の株価(終値)は10%を超える下落となった。
予想に反した業績悪化の主因は、物流の「2024年問題」に他ならない。これまで事実上制限がなかったトラック運転手の残業時間は、4月から年960時間が上限となった。運転手の高齢化もあり、人手不足は一段と深刻化している。「25年度には運転手が14万人も不足すると試算されている」(メガバンク幹部)という。一方、インターネット通販の需要が伸び、今後も荷物量は増えると予想されている。
「物流業界は、本来は給与の低い業種と見られてきたが、これから人材を確保するためには人件費の引き上げは避けて通れない。それだけ収益圧迫要因になる」(同)とされる。
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