「メートル法と日本の近代化」吉田春雄著

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 東京帝国大学理学部の助教授だった田中舘愛橘は、明治21(1888)年、英国のグラスゴー大学に留学する。そこでウィリアム・トムソン教授が英国のヤード・ポンド法は合理的でないと批判するのを聞き、日本はさらにひどい状況であることを憂慮した。当時は江戸時代からの尺貫法が使われており、長さは10寸で1尺だが面積は30坪で1畝というように、10進法とそうでないものが混在している。さらに、西南戦争の戦闘指揮はメートル法を用い、電信線路の距離は尺貫法の里や町で計測するという新旧の単位が入り交じった混乱状態だった。田中舘は友人の原敬に、国家として単位系をメートル法に統一する必要性を訴える。

 日本にメートル法を導入した2人の偉人を描く。

(現代書館 1800円+税)

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