石橋凌が語る松田優作 両足を10センチ切るという噂の真相
「ブラック・レイン」の3年前から言っていたこともあります。
「なんで日本とアメリカの合作映画で日本人の俳優が本来の日本人役ができないんだ? 俺たちは俳優、ミュージシャンってグローバルな仕事をしているのに、日本の国内だけのありきたりの話しか仕事がないんだ」って。1つはSAG(映画俳優組合=The Screen Actors Guild)に入っていないこと、2つ目は言葉の壁、3つ目はアジア人であることへの差別だと。
映画もロックも本質をやろうとする人は日本では恵まれない。優作さんは映画の表現者として本質をやり抜いた方です。食っていかなきゃいけない中でブレない精神力や信念があった。ただ、ことあるたびに「俺を呼ぶのはアクション映画しかない。俺だって普通の文芸路線もやってみたいんだ」とおっしゃっていた。
こんなエピソードもあります。ある時、足を10センチ切るっていうウワサがあったので「本当ですか?」って聞いたら「本当だよ。俺、身長が高いじゃないか。だから、普通の役ができない。もう整形外科の先生に話をしていて、両足を10センチ切った後のリハビリの計画もしているんだ」って言っていましたね。
優作さんは私には「おまえ、真っすぐだな。世渡りが下手なのかもしれないけれど、ものをつくる人間はそうじゃなくちゃいけない。自分が思ったことは突き進め!」と言ってくれた。
そんな優作さんの言葉を胸に、私は7年かけてアメリカで4作品に出演する機会をつくり、実績もつくって、やっとSAGに入ることができた。私が九州に帰ろうとしていたところを引っ張り上げてくれた優作さんの遺志を継いで、自分なりの方法でなんとか俳優、ミュージシャンとしてやっていこうと思っています。




















