著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

NHKの看板報道番組「ニュースウオッチ9」もリオ五輪に浮かれていた

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 記憶の中にある一番古いオリンピックの映像は1964(昭和39)年、小学4年生の時に見た東京大会だ。三波春夫の「東京五輪音頭」は、今でも歌詞を見ないで歌える。次のメキシコ大会以降のオリンピックも、毎回テレビの前にいた。

 今からちょうど10年前、2016年の8月に行われたのが「リオデジャネイロ五輪」だった。5日に始まったこの大会で、日本は史上最多(当時)の41個のメダルを獲得。テレビは競技中継に多くの時間を費やし、ニュース・報道番組も五輪一色になった。

 NHKの「ニュースウオッチ9」(NW9)も例外ではない。8月18日の放送では、1時間番組の中で、何と五輪に45分も割いていた。番組の前後で中継しているにもかかわらずだ。もちろん、レスリング女子3人が金メダルに輝いたことも、卓球男子団体が銀メダルを取ったことも結構だが、はしゃぎ過ぎだった。

 驚いたのは、男子卓球のエース・水谷隼がお笑いタレントの波田陽区に似ているからと、福岡でユニホーム姿の波田に水谷選手の真似まで披露させたシーンだ。さらに、リオのスタジオにやってきた水谷に、東京の鈴木奈穂子アナが「似ていること」について感想まで求めていた。こんな愚かしい海外中継インタビューなど前代未聞だ。

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