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大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

“助け合い”アニメ「すみっコぐらし」が異例の大ヒット

公開日: 更新日:

 日本映画界に予想外の邦画ヒットが続いている。昨年は「カメラを止めるな!」があり、今年前半には「翔んで埼玉」があった。さらに年末も近くなって登場したのがアニメーションの「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」だ。

 100スクリーンそこそこの劇場マーケットながら、すでに興収6億円を超え、10億円突破が確実となった。この劇場規模で10億円を超えるのは並大抵のことではない。劇場数が少ないから、いわゆる1館ごとの動員密度が高い。10億円台のヒットアニメによくあるパターンだ。

 映画は「すみっコぐらし」というキャラクターから生まれた。点のような目、厚ぼったいくちびるで丸っこく、かわいい体形の生きものだ。部屋などの隅にいるのが好きだから、「すみっコぐらし」。映画ではえびふらいのしっぽやとんかつの脂身など“不遇な”すみっコぐらしが何体も登場し、ひとりぼっちの「ひよこ?」のために献身的に行動する。

 予想外のヒットが続く理由は何か。自身が好みに合った作品を見極めるケースが増えてきた。作品選択の嗅覚もより研ぎ澄まされてきたといったらいいか。多くの情報ツールのなかを遊泳しながら、自分向きの作品を選び出してくる。

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