(2)高齢者は「かむ力」が弱くなると転倒しやすい
今年6月、都内で「かみ合わせは健康の礎-スポーツと歯の関係」(日本顎咬合学会主催)という公開フォーラムが開催されました。
より多くの人にかみ合わせの大切さとスポーツ歯学を知ってもらおうという趣旨で、冬季五輪5大会出場の上村愛子さんらが登壇しました。主催した日本顎咬合学会の金沢紘史理事長はこう話します。
「一般の人は普段あまり意識しないかもしれませんが、かみ合わせは全身の健康と密接に関わっています。姿勢や筋肉のバランス、運動にも影響しているとされています。たとえば、高齢者の介護の要因になるロコモ(歩く、立つなどの運動機能が低下した状態)やフレイル(加齢による心身の衰え)は、かむ力を保つことが予防になりますし、逆にかむ力が弱くなると転倒しやすくなります」
金沢理事長によると、愛知県の高齢者の追跡調査では、歯がほとんどなく、入れ歯も入れていない人は、歯が20本以上ある人に比べて、転ぶリスクが2.5倍も高くなるそうです(厚生労働科学研究「歯数・義歯使用有無と転倒リスク」)。


















