著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

うつ病の新ガイドラインは「薬中心」から「人中心」へ転換

公開日: 更新日:

 うつ病は、薬をもらって様子を見るもの──そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、その考え方が大きく変わりつつあります。

 日本うつ病学会は約9年ぶりに「うつ病診療ガイドライン2025」を公表しました。

 今回の特徴は、従来の見直しではなく、最新の科学的根拠に基づいてゼロから作り直された点にあります。

 では、何が変わったのでしょうか。ポイントは大きく3つです。まずひとつ目は、「医師と患者が一緒に治療を決める」という考え方です。これまで治療は医師主導になりがちでしたが、新しいガイドラインでは、患者さんの生活や価値観、副作用への不安、費用なども踏まえた納得できる選択が重視されています。

 2つ目は、「ひとりひとりに合わせた治療」です。軽いうつ病では、いきなり薬に頼るのではなく、休養や生活リズムの見直し、病気についての理解を深めることが優先されます。また、子供では「イライラ」として症状が出ることがある一方、高齢者では持病との兼ね合いが重要になるなど、年齢による違いも細かく考慮されています。

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