(8)法制度のはざまに落ちた患者…弁護士事務所に置き去り
帰住先のない患者を、病院院長が弁護士事務所に置き去りにしたとして訴訟となっている。
4年前の8月、都内の病院に任意入院していた女性の依頼を受けた弁護士2人が女性と面会。「退院したいが住まいがない」という相談だった。弁護士は主治医の院長と相談員と面談し、年末をめどに居住先を整えて退院するという方針を決め、病院が地域移行事業所につなぐ退院調整を行うことで合意した。
2カ月後、調整が遅いと感じた弁護士は10月末、相談員に「退院先の調整を促すために退院請求を行う」と告げたうえで翌日、都に退院請求書を提出した。
11月10日、都精神医療審査会から病院に退院請求受理通知書が届いた。
翌日、女性から弁護士事務所に電話が入り、「本日、突然退院と言われ、院長らが弁護士事務所に送っていくことになった」と告げられる。まもなく、院長らが女性の荷物を持って女性を連れてきた。
事情を知らない弁護士事務所の職員が困惑する一方、院長は「(退院請求の)責任を取られたらいい」「精神保健福祉法では今日退院させるしかない」と声を荒らげた。


















