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カモシダせぶん書店員芸人

1988年、神奈川県生まれ。お笑いコンビ「デンドロビーム」(松竹芸能)のメンバー。日本推理作家協会会員。現在、都内の書店でも働く現役の書店員芸人。著書に「探偵はパシられる」など。

生意気さもツンデレ美少女なら許せる!? 「夫をかわいい女の子にしてみたら」もぐ著

公開日: 更新日:

「夫をかわいい女の子にしてみたら」もぐ著

 私事だが、昨年10月に結婚し、12月には第1子が誕生した。事情があって、同棲を始めたのも去年から。独身とは全く違う日々を過ごしている。

 私はSNSだとXを愛用している。名称がTwitterだった頃からのヘビーユーザーなのだが、入籍直前の時期からX上をメインで活動してる夫婦マンガ、子育てマンガのアカウントをチェックするようになった。エピソードに共感することで気持ちが落ち着くのだ。だがそういうあるあるエッセーに特殊なエッセンスを加えたマンガを発見した。それが本作の著者もぐさんの投稿である。

 妻や子どもが寝静まろうとしてる夜中に夫がゲーセンに行って、ヤンキーが怖くて帰ってきた話なのだが、夫を美少女化しているのである。この夫氏は普段女装をしているわけではない。著者の目線から見て、オチはついているがよりマイルドにするための計らいだ。ただこの変化で物凄く「可愛く」見える。強気な感じのデザインも話にとてもあっている。この話がいわゆる万バズしたのだが、この話以外にも笑える、グッとくる話がたくさんあり、多くの人の目に留まり、書籍化になった。Xドリームだ。この書籍版はXのマンガに修正が入っていたり、新たな話も入っているので、X版と両方楽しんでほしい。

 なぜもぐさんは夫を美少女にしたのか。そこがこのマンガの根幹である。夫氏は職場では結構出世していて尊敬するところもあるが、家に戻ると生意気でイライラしてしまうこともある。もしこの人がアラフォーのおっさんではなく、ツンデレ美少女だったら、許せるのでは?……可愛いところもあるし。という動機から生まれたそうだ。家族は暮らしを共にするがゆえに、さまざまな部分が見えてしまう。その全てを肯定するのはなかなか難しい。そこで対象をキャラ化することで見え方を変える。家族をより良くする素晴らしい工夫だと感じた。また夫氏や子どもたちもこのマンガは認知しており、特に夫氏の心境の変化が描かれてる終盤の話にはグッとくるものがあった。

 私がこのマンガを買ってきたら妻はギョッとしていた。ちゃんと「私は美少女じゃないので許されないぞ!」と思って読んでいるので安心してもらいたい。

 (KADOKAWA 1375円)

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