著者のコラム一覧
山田勝仁演劇ジャーナリスト

「三十郎大活劇」舞台にみなぎる“ラブ&ピース”の反戦メッセージ

公開日: 更新日:

 時は1930年代。とある映画撮影所。取り巻きを連れて肩で風切るように闊歩する時代劇スター・阪東春之介(近藤公園)。しかし、映画界はサイレント(無声)からトーキー(発声)へ。幼馴染みで助監督の岡村淳平(入野自由)や万年大部屋役者の田所岩蔵(小倉久寛)の助けもあって、新人の大部屋俳優・紅三十郎(青柳翔)は春之介の敵役に抜擢。声良し、立ち回り良しの彼は春之介に代わってスター街道まっしぐら。

 芸者おやつ(横山由依)との色恋やプロデューサー・山岸旺次郎(福本伸一)、監督・マキノ万作(三上市朗)、カメラマン・成島精二(松村武)ら撮影所の幹部連中、新劇女優・杉浦美輪子(那須佐代子)、入江澄子(松平璃子)との軋轢もあるが、映画にかけた青春を謳歌していく。

 しかし、日中戦争勃発。戦意高揚の国策映画ばかりになり、三十郎が振りまく不道徳さや権力を笑い飛ばすタンカは当局にとって目障り。

 やがて戦局は悪化し、俳優たちにも次々と赤紙が。起死回生の大作を撮るために三十郎一行は戦火激しい大陸に渡るのだが……。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ