著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

笑いに包みながらも鋭利に…常に自分に正直なヒコロヒーの類稀なる言葉選び

公開日: 更新日:

 その後も「劇場では『女を捨てる』ことを求められるが、テレビでは『女である』ことを求められる」(AbemaTV「チャンスの時間」20年10月28日)などと、女性芸人が立たされている現状を言語化していった。古舘伊知郎はそんな彼女を「類いまれなる言葉選びの達人」(ナターシャ「お笑いナタリー」22年8月19日)と評している。

「本当はそこまで口も悪くないんじゃないかとか、頭も悪くないんじゃないかとか、そういった見方をしていただくこともあるんですけど、私は人間もそんなにいいほうではありませんので、口も悪いし、性格も悪いので、ちょっとヒヤヒヤしてます」(テレビ朝日系「徹子の部屋」23年4月14日)

 そうも語るヒコロヒーは、桂米朝が好きだという。米朝が古典落語の中に自分の哲学のようなものを入れることについて、彼女はこう感じたという。

「その中でスゴく心に残っているのが『人間、正直に生きれば怖いものはない』という一節があるんですけど、それ聴いた時、『正直に生きなさい』って言われるけど、結局それをやってていいのは自分が怖くないから。表に立つ立場としてすごく大事なことだな、と」(テレビ朝日系「太田伯山ウイカのはなつまみ」21年5月5日)

 ヒコロヒーはひるむことなく、「類いまれなる言葉選び」で笑いに包みながらも鋭利に、常に自分に正直な言葉を吐き続けているのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  3. 3

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  4. 4

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  5. 5

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  1. 6

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 9

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  5. 10

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 4

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  5. 5

    狭まる維新包囲網…関西で「国保逃れ」追及の動き加速、年明けには永田町にも飛び火確実

  1. 6

    和久田麻由子アナNHK退職で桑子真帆アナ一強体制確立! 「フリー化」封印し局内で出世街道爆走へ

  2. 7

    松田聖子は「45周年」でも露出激減のナゾと現在地 26日にオールナイトニッポンGOLD出演で注目

  3. 8

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  4. 9

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 10

    実業家でタレントの宮崎麗果に脱税報道 妻と“成り金アピール”元EXILEの黒木啓司の現在と今後