(15)頬に手を伸ばし、そっと涙を拭う
「殺されたんだ。十年前、あの漆林で……」
そう言った途端、漆黒の瞳がみるみる潤んで、その頬に涙が零れ落ちた。
夕風が吹き、梢が揺れて、漆の甘い匂いがした。目の前のサキの頬がとめどもなく濡れていくほどに、その甘い匂いは強くなっていく。
まるでサキの涙が、漆の…
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