『アイ・ウォント・ユー』8分弱の重さも退屈させない演奏とコーラスの素晴らしさ
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アルバム『アビイ・ロード』(1969年9月26日発売)⑦
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■『オクトパス・ガーデン』
原題は「OCTOPUS's GARDEN」。正しく発音すると「オクトパシズ・ガーデン」という感じで、事実歌っているリンゴも、そう歌っているのだが、日本語の正式タイトルは「オクトパス・ガーデン」らしい。知らなかった。
あの『ドント・パス・ミー・バイ』(68年)に続く、2曲目の「作詞・作曲:リチャード・スターキー(リンゴの本名)」。タイトル通り「箱庭」ならぬ「タコ庭」の歌。
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しかし『ドント~』に比べて、音楽性が数倍凝っている。ジョージの助けがあったためだ。この頃、気力充実・才気煥発のジョージ、自作だけでなく、リンゴの作品を手伝う余裕まで見せたのだ。
有名なのが、映画『レット・イット・ビー』(70年)の中で、リンゴとジョージが、この曲のアイデアを出し合うところ。
メンバーの殺伐とした人間関係ばかり見せ付けられる記録映画の中で、まるでオアシスのようなシーンである。
そして関係良好なコラボレーションは演奏に表れる。誰も褒めないから私が言うが、この曲のイントロと間奏におけるリードギターは、もしかしたらビートルズ時代のジョージのベストプレーではないか。あ、もうひとつ、アルバムB面に候補があるわ。
■『アイ・ウォント・ユー』
ジョンがオノ・ヨーコのことを歌った曲。原題には「SHE'S SO HEAVY」という副題が付く。これ「ヨーコは体重が重い」ではなく、「ヨーコ、たまんねぇぜ」というぐらいの意味。
しかしそんな内容と相反して、重く、そして長い曲である。マイナーキーの、まさに重いビートに乗せて、ジョンがひたすらシャウトし続ける、どんよりムードの8分弱。
しかし、案外退屈しないのは演奏が聴かせるから。ポールのベース、ビリー・プレストンによるオルガン、そしてジョン、ポール、ジョージによる「ヘヴィー!」のコーラスが素晴らしいから。
なお、エンディングの「ジー」という雑音はシンセサイザーの音。
45年前、レンタルレコードで借りて「ジー」を聴いたとき、もしや盤を傷めているのではないかと驚いたものだ(盤面に傷を付けたら弁償だった)。
最後に小ネタ。試聴リンク再生時間「3:45」からのラテンっぽいリズムを聴いて「ちょっとだけよ」と言いたくなるのは、1960年代生まれの性だろう。あんたも好きねぇ。
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